林りん館の目的、役割および現状
背景
1999年に林業交流体験施設という名称で建築された林りん館は、地元地主の土地提供により現在の地に建築されました。
当初より林業交流という趣旨の活用はなく、北アルプス一望の宿泊施設として多くの方々に利用していただいています。
当初の運営は、小川村からの依頼により地元立屋地区のみなさんが担ってきましたが、その後指定管理制度となり前管理者、地元代表および現指定管理者が11年間運営し、2019年に2代目の現指定管理者に引き継がれて今に至っています。
現在では小川村を代表する観光拠点ホテルとして多くのリピータに利用していただいています。また、地元の要望もあり、小川村各団体の拠点として宿泊施設以外の役割を多数担っています。
現指定管理者は2019年より現在まで無報酬で宿の切り盛りを行い、かつ複数の小川村を元気にするための活動責任者を務めています。
24年ぶりに神楽などを復活させ、古道の整備にも自費をつぎ込んで活動しています。
当ホテルの集客力を増すため、自費(総額1000万円以上)を注ぎ込み多数の設備設置および増改築を行っています。
当ホテルが提供している北アルプスライブカメラは24時間北アルプス仁科三山(爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳)を配信し続けており毎日多数の閲覧者がいます。
北アルプス絶景の宿「林りん館」の目的
1.小川村を知ってもらい、小川村ファン(関係人口)を増やす。
2.小川村を知ってもらい、移住者を増やす。
3.祭りなど伝統文化を復活、守り、次の世代に引き継ぐ。
4.歴史ある資源(神社仏閣、古道など)を整備し、次世代に引き継ぐ。
5.小川村立屋地区の開発。
現指定管理者の自費による増改築一覧
目的1および目的2のために投資しています!
・展望露天風呂
・展望デッキ
・客室の洋室化(ベッド、大型テレビ、冷蔵庫など)
・ボルダリングウォール建築
・全館全室LED化
・全室へのエアコン設置
・内風呂畳敷き
・食堂設置機械什器類(薪ストーブ、大型テレビ、マッサージ器、テーブル椅子など)
・北アルプスライブカメラの運営
・厨房機器類(冷凍ストッカー、冷蔵庫、コンベクションオーブンなど)
・外壁塗装
・ヤギ牧場:3箇所に牧場を建築。
・古道整備のための重機および工具類の調達
現指定管理者による小川村を元気にする活動一覧
・古道整備(峰街道、高戸谷道、女坂、北アルプス青空散歩道など)
・村内神社仏閣、小学校などの無償ホームページ制作および管理
・観光用としてのヤギ多頭飼育し、耕作放棄地に牧場を転換する建設活動
・「立屋の棚田」:維持管理、耕作
・立屋地区の神楽保存会会長としての伝統文化の継承および祭り参加活動
・御柱大祭:24年ぶりに長持ち行列を復活させる
・表立屋地区組長
・災害ボランティア活動(東日本大震災、熊本地震、能登半島地震など)
北アルプス絶景の宿「林りん館」の拠点一覧
・立屋宝光社の祭事場所
・各団体の総会および懇親会場所
・「信州立屋伝統文化保存会」本部
・「峰街道の会」本部
・「小川山岳会」本部
・小川村内3古道本部(高戸谷道、女坂、北アルプス青空散歩道)
・ヤギの飼育拠点:「め~め~牧場」および立屋展望台下の牧場2カ所で山羊18頭を飼育中
現指定管理者が管理する小川村内各施設ホームページ一覧
小川小学校
小川神社
沢の宮小川神社
立屋地区
夏和地区
峰街道の会
小川山岳会
小川村ワーケーション
ホットアグリ
トリップ小川
NPO美しい村・絆ネットワーク
有限会社松本設備
一般社団法人すきです小川
あえて運営課題:老朽化による不具合の現状
建築されて25年経過した建物および機械設備には複数の不具合がでており、補修をしたり工夫しながら運営しています。
1.ボイラーおよび循環器の耐用年数経過
ボイラーおよび循環器はすでに耐用年数を経過しています。補修部品が調達できない場合などがあり、工夫しながら使用しています。
2.宿泊棟の音漏れ
もともと林りん館は体験施設として建設されています。したがって宿泊棟部分の音漏れおよび振動があります。現状はお客様を受け入れるときには工夫して対策しています。
3.食堂棟の暖房対策
食堂はよく言えば開放感ある建築ですが、冬は天井が高いため暖気が上部に抜けてしまいます。
薪ストーブ2台で暖房していますが、全体を温めるためには常に薪を燃やし続ける必要があります。したがって、毎年の薪割りは大量に必要です。
4.内風呂の老朽化
建築依頼一度も改修しておらず、壁面タイル浮きや水漏れなど補修が必要な状況となっています。大規模補修が必要ですが改修を遅らせるために都度補修しながら使用しています。
5.電気代が多額
電気代が高止まりしています。建物が大きく、非常灯、厨房などの電気器具を多数使用しています。
6.躯体の経年劣化
複数の柱に立割れが発生、シロアリに食われた柱、壁面の経年劣化など複数の躯体不具合が出ています。毎年補修を繰り返して運営しています。
7.カメムシとスギ花粉
老朽化とは関係ありませんが、毎年秋に発生するカメムシと春のスギ花粉には苦労しています。
今後発生するコスト
今後発生するコスト累計は多額になります。
1.ボイラー類の修理交換
2.宿泊棟の音漏れ対策工事
3.内風呂の修繕工事:特にタイル、雨漏り
4.全館の暖房対策工事:冬は寒い
5.玄関ドアおよび玄関改築工事:手動ドアで開閉が悪くなっている。
6.建物解体費用(数千万円と高額):将来いづれかに解体が必要。